§3 MemCalc解析 |
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§§3−3 セグメント解析(その2) |
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問 3Dスペクトルアレイの結果を定量的に示す指標はありますか? |
1170 | ||||||||||
答 図1170-1は,3Dスペクトル・アレイを形作っているPSD(セグメント時系列デ−タのPSD)の基本モ−ドとその高調波について,その周波数領域にわたって積分した値(各モ−ドのパワ−値)の時間変動を示しています((a)健常者,(b)自律神経障害者,(c)不整脈患者,(d)多発性脳梗塞患者)).各群の下から順に,基本モ−ド,第1〜第3高調波のパワ−の時間的変動を示します.この変動の詳細については関係論文を参照してください(参考文献2-4).
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問 3Dスペクトルアレイは,パターン分類に利用できるように見えますが,何かそのような例はありますか? |
1180 | ||||||||||
答 日本の感染症サーベイランスにおいて蓄積された21疾患の発生数時系列データの3Dスペクトルアレイは,図1180に示す(a)麻疹,(b)水痘症,そして(c)ムンプスのパターンに分類することが可能です(参考文献2-8).各3Dスペクトルアレイに共通することは,1年モード(f1=0.00274)とその高調波 f2(=f1×2=0.0054)とf3(=f1×3=0.0081...)に明瞭なスペクトルアレイが観測されることです.3つのパターンに観測される特徴は以下の通りです.
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問 セグメント解析は,臨床医学で利用されていると聞きました.どのように活用されているのですか? |
1190 | ||||||||||
答 図1190は,麻酔導入時の血圧脈圧波時系列(データ長1500秒)から得られた3Dスペクトルアレイの正面図(直線尺度)です.周波数1Hz付近のアレイが基本モードで,心拍リズムに対応しています.2,3,4Hz付近から始まるアレイが,それぞれ基本モードに対する第1,第2,第3高調波です.1000秒を過ぎた辺りから,麻酔効果によって,各スペクトルアレイの周波数が,高調波数側にシフトする様子がはっきりと観測されます.また,1250秒,1400秒そして1500秒を超える辺りで,かなり周期的に,覚醒状態になっていられると見られるピーク周波数の低周波数側への戻りが見られます.このように,血圧脈圧波の時々刻々の変動を通して,患者の状況が的確に把握できることがわかります.
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